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2009年10月24日(土) 
書名:孤秋の岸
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1997/3/7
定価:3400円+税

宝暦治水事件は、江戸時代中期幕命により薩摩藩に木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)の治水事業(宝暦治水)が行われた。工事中薩摩藩士51名自害、33名が病死。総奉行の平田正輔、副奉行は伊集院十蔵久東。外様大名にはなにかと普請事業を押しつけてきた幕府。島津藩にとっては幕命を受けるか、戦うか?という切羽詰まったなか耐えに耐え治水工事を完了させる。その後総奉行の平田は自害。江戸、大阪、京都の商人から莫大な借金をして資金集めを担当した。当然個人の資格で約束していた懸案もあり、後で請求されても平田がやったこと。砂糖の取引に優遇すると言う約束などはあくまで個人の約束と断れれと。これを引き受けた時点で死を覚悟していた。宝暦治水を題材にした杉本苑子の直木賞受賞作品。生前の吉川英治にこの作品を見せたとき、杉本の作品には色気がない。私だったら薩摩から女が美濃に訪ねてくる場面などいれるのだが。完成を待たずに亡くなったとか。なるほど杉本苑子の作品は他の作品でもやっぱり色気はない。またこの作品で見られる作風は全作品に通じて感じられる。やっぱり初心は変わらないようだ。この事件は、関ヶ原と共に、幕末の薩摩藩による討幕運動の大きな伏線となるできごとか。

閲覧数3,397 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2009/10/24 20:34
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