書名:巨鯨の海 著者:伊東 潤 発行所:光文社 発行年月日:2013/4/20 ページ:336頁 定価:1600円+税 最近は世界中から捕鯨について批判が沸騰している中、江戸時代から明治初めまで行われていた古式鯨漁を和歌山県太地町を舞台に繰り広げられてきた漁民達の人間ドラマを6つの短編で綴った本です。 網を打つ者、鋲を打つ者、とどめを刺す者、各々が技を駆使して集団で1頭の鯨に立ち向かっていく組織捕鯨。その海と鯨、そして天候、それらに立ち向かうために仲間との信頼関係、絆をどう組織してきたか?鯨を追いながら黒潮に流され、遭難して伊豆半島まで漂流してしまったり、仲間の信頼を失うような行為を行ったものに対する制裁、掟。死と隣り合わせた漁法、そんな中で人達はどう生きたか? 捕鯨についての専門用語が方言とともに出てくるのでちょっと理解しがたいところもあるが、迫力のある物語です。山本一力の土佐の捕鯨を描いた「くじら組」とは劣るが、それなりに楽しめる作品です。 伊東潤さん「巨鯨の海」人間の躍動感と海の描写で迫る新たな歴史小説 http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news…001-n1.htm 『巨鯨の海』(伊東潤 著) | 著者は語る http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2730 |