8月2日(木)、中本牧コミュニティハウスで地域リレー講座「本牧通り物語10」が開催された。 講師の野田さんは本牧2丁目で輸入衣料品店「本牧OZ」の店主であるが、同時にフィッシングコーディネーターでもあり、『週刊つりニュース』に記事を多数執筆している方だ。 子どものころから40年以上、本牧で釣りに親しんできている。 この日は普通の釣竿のほか、電動リール付きのものや、手製の横浜竿などを持ち込み、それらを使いながらマシンガントークで「釣り・地震・津波」のお話をしていただいた。 以下、講師のお話。
貯木場があった頃は、みんなあそこに行って釣りをしていた。ゴールデンカップスのルイズルイス加部さんなんかも来ていた。 アジは朝夕に釣れた。ほかに海老、ハゼ、タコなんかも。 釣竿がなければ空き缶に糸をくくりつけ、その先にミミズを付けた針を結んで海中放り込んでおく。魚がかかれば空き缶が倒れるので、糸を引き上げる。そんな遊びをしていた。 昔はゲーム機なんか無かったので、多くの子どもが釣りに行っていた。家の誰かがやっていれば、そこで教えてもらって子どもたちも釣りに熱中していた。 今は釣り道具が良くなっているし、ちゃんとした人が教えれば誰でも釣れる。昔のように教えてくれる家の人や近所のガキ大将がいなくなった現代では、私らがその役割を担っている。 教えているのは釣り方だけではない。釣ってから捌いて、食べるところまで、自然や命の大切さを学んでもらっている。 漁師が魚を獲ったあとの捌き方と、私ら釣り人の捌き方は違う。釣り人は、魚の種類によって美味しく食べられる捌き方をやっている。 本牧でもカツオが釣れる。美味しいのはヒラソウダガツオ。次がマルソウダガツオ。そして本鰹。 今は太刀魚、真鯛、ゴマサバが釣れる。サバは冬の魚と思っている人が多いけど、夏はゴマサバが美味しい。 昔はオカズを獲りに本牧の海に行ったものだ。タコ、ワカメ、カレイも獲れた。 根岸はイシガレイなのに対し、本牧はマガレイだ。 天然のヒラメはお腹が真っ白なのが特徴。養殖して放流したものは腹に黒い斑点がある。ヒラメの養殖というのは、ヒラメの卵子に真鯛の精子をかけている。 養殖用の生簀の網には、海藻や貝がついて重くならないよう、劇薬を塗っている。それが魚に影響を与えて背曲がりの魚が生まれている。過去にそういう魚が切り身になって出回っていたことがあり、マスコミに取り上げられていた。養殖魚より天然魚をお勧めする。 さて、この辺で地震と津波の話もしておきたい。 3月11日に東京湾で釣りをしていた。魚群探知機には魚が群れをなしているのに、全く釣れなくなった。こういう場合、近くに大型の魚がいるものなのだが、そういう大型魚が映っていない。不思議だなと思っていたら、30分後にあの地震が発生したのだ。 地震が収まったあとも30分ほどは魚が獲れなかった。魚群が何らかの地震予知をしていた可能性もある。 東京湾には中の瀬という水深の浅い部分があり、津波が来たら大きくなりそうだが、観音崎と千葉の間の入口部分は狭いため、実際に はそれほど入らないとも言われている。 しかし、湾内で複雑に波が押し寄せたり引いたりするので、複合的に大きくなる可能性もある。 最近は電柱に海抜を表示しているところが多くなった。津波対策は大切であるが、本牧で注意したいのは高潮である。一気に水位が上がるので要注意。 posted by よんなん |