「肉のすぎやま」を出た一行は、続いて本牧町の小間物屋「土屋商店」へ。 http://www.honmoku-street.com/kameiten/tsuchiya-shouten
戦前は今の山手警察署の先あたりでやっていたのだが、戦後の米軍による接収でここ本牧町に移ってきた。 先代は本牧神社の神主さんと仲がよく、近隣の神社を紹介してもらったりして、何軒かの神社の祭で使うお守りなどの和紙類を納めていた。
和紙を切るには特殊な包丁を使い技術が必要で、その時代には障子紙も客の注文で切って売っていた。 これは現代の障子紙。
日本の家屋には窓の内側に障子紙を張った戸があったが、現代でもサッシの内側には障子があったほうが環境的には良いという。 湿度管理とか粉塵対策に役立つので、本当は障子を付けたいところであるが、現代の住宅事情から、なかなかそれはできない。
和紙の他には小間物を扱っている。
網カーラーといって、女の人が髪の毛をクルクル巻く道具、こういうものもあった。これはサザエさんの頭みたいに巻くのではなく、ちょっと巻くのに使うものだが、最近は髪がストレートになってきているから、あまり売れないというお話だった。
他にタバコも販売している。かつては、日本のものと外国のものを半々で置いていたそうだ。 本牧には外国人が多くいたから、外国人に対する抵抗感は少ないとも。 このお店は早い時期にコンクリートで造ったのだが、そのとき敷地から発生した残土を使って、本牧神社の境内を盛り土したという。 紙のつながりが、神のつながりになったわけだ。 いま、お店の裏にタクシー会社があるが、これが昔の本牧劇場の跡地。 店横の路地側に入り口があった。通りから入る小路には柳の木があり風情があったという。
ツバメも飛び交う、のどかな感じだったらしい。
右側に本牧劇場への入口部分が見えている。 (昭和31年頃:小澤建具店提供)
posted by よんなん |