最後の訪問店は和菓子の老舗「喜月堂本店」です。
ここで2班が一緒になったため、Aグループから先に2階の工場見学をさせていただくことに。
ひととおり見ながら、社長から説明やうんちく話をお聞きしました。 まだ発売していませんが、これはユリネを使ったお菓子です。 ユリネで餡を作っています。 「ご試食してみてください」のお言葉に甘えてひと口頬張ると、ものすごく美味しい!!
ユリネのアンコにあわせて皮も作っているとか。
参加者:ユリネは小さいものだから作るのは大変でしょう。程よい甘さで美味しいですね。 社長:「やまゆり」という名前でこの春から発売する予定です。ご進物には最適だと思います。
彼女は季節の上生菓子を作っています。
参加者:何年ぐらいやっているんですか。 従業員:3年です。その前は学校で習っていました。 参加者:アンコは昔と変化しているんですか。 社長:アンコは変わっていません。喜最中の皮は餅米で作っています。すべて手作業なんです。食べきれないときはお汁粉にしていただくとまたいいです。
名物「喜最中」も試食させていただきました。
工場見学を終えると、店舗横のスペースで女将さんからお店のことを伺いました。
菓子学校の子や若手職人、販売スタッフなどが発案&製作する創作和菓子を毎月最終(土)(日)に、「お喜楽すいーつ」と名づけて2日間限定で販売させていただきます。
今月は寒いので生姜を使ったお菓子を作りたいということで、何度も何度も試作しています。 そこでお客様から「今月のは美味しかったよ」とか「いまいちだよ」とか、評価をしていただいています。 これが勉強の場になるんですね。
これは予約制ではなく、この日に販売しています。 珈琲どら焼きは好評だったので、その後もご注文いただいて作っています。
社長はいろいろこだわりがあるので、こういうのはあまり好きではないのですが、若い子たちは勉強にもなるし、お客様の反応が励みにもなるので、めげずにやっています。 お客様に評価していただくのが一番です。
菓子学校で習って来たものは頭に入っていますけど、技術というのは実際に手を動かしていかないと。
北海道でも1、2を争う小豆しか使いません。 その農家と契約して、それしか使わないというのが、社長のこだわりですね。 お客様が最中を口にしていただいて「美味しい」と言っていただければ最高です。 あとはイベント的なことをやっています。 母の日、七夕、十五夜などのときに店頭にテントを出して、季節のお菓子を出しております。
そのようなときは、若い子たちが店頭に出て販売します。 「いらっしゃいませ」とか「ありがとうございました」とか言えないと、その子たちの家には帰せないというのが、社長の方針なのです。 作る技術だけではなくサービスも、なのです。 (全国から菓子屋の息子がこの店に修業に来るという。)
若い子たちはお菓子屋さんの息子だったりします。 菓子学校を出て、ここで修行をして、帰る。昔はそういうのが普通だったんですけど、最近は、背負うものがない、サラリーマンの子弟とか、大学を出て来た人とか、そういう人が増えて来ています。 そういう子たちが、「お喜楽すいーつ」のようなことを考えだすんですね。
うちはネット販売なんかできない、すべて手作りのものなんです。 昔は職人が1個ずつ作ってはどんどん並べていったものですが、最近は80グラムの表示ならきっちり80グラムないといけないということで、秤で量って作っていますので時間がかかります。
時間的に間に合わないときは社長や私も入って作っています。 手作りの難しさにぶつかっていますね。
今はデパートでの販売も入れてその日に出せる分だけしか生産していませんので、 大量のご注文が入ったりすると、大変な忙しさになります。
作り置きをしてそれを使うということはないのです。
母がよく言っていました。 「アンコは生き物だから粗末に扱ってはいけない」って。
最中だけは絶対に守っていかなければいけないのです。 だから北海道の天気がいつも気になっています。 外国のものはいっさい使わないので、社長たちは北海道まで見に行ったりしています。 冷夏だとか台風だとかいうと、小豆の生産が気になりますね。
去年の出来です? 暑かったので上物は少なかったですね。 横浜でも1、2軒しか回せないくらいだったのですが、それでも社長の尽力で仕入れました。
小豆の価格は変動があるのですが、高いからといって最中を値上げすることはできませんし、安いからといって下げることもできません。難しいです。
お店の「こだわり」や「うんちく」などをお聞きしながら試食させていただいたお菓子は、本当に美味しかったです。ご馳走様でした。
こうして4軒のお店を回り、店主から直にお話を聞いた後は、上台集会所に戻って交流会となりました。
本牧 喜月堂
posted by よんなん |