2019年11月16日 房日新聞・読者コーナー投稿 今年14本目で通算116本目の掲載 今回は千倉駅の来月1日からの泊まり勤務廃止の文言が原稿に間に合いませんでした。それを含めた手直し版を原文として公開します。 先日の内房線と地域を守る会の松苗さんの寄稿で、内房線を通じての災害に対する意見の話がありました。 私は公共交通における鉄道の維持管理が基本、事業者が負うことには限りがあると思います。 今年の2回の台風と10月後半の大雨で、被害による運休がでたことはご存じと思います。 過去、土砂崩れがおき、長期の運休を内房線では23年前に6か所ありました。いずれもトンネルや鉄橋にかかわる箇所。また、国道沿いや道が狭く現場に行くことが容易でない箇所もありました。 すべて鉄道会社の工費負担でまかなうのは、難しいことがこれから先でるでしょう。 三重県の名松線は、一部区間で台風被害で一時はバスによる輸送転換も検討されましたが、治山、治水の防災対策は地元自治体で、線路設備は鉄道会社の負担で復旧工事が進み、廃線は回避され、6年前に運行を再開。 福島県の只見線は、まだ災害で一部区間が運休していますが、鉄道軌道整備法に基づき、設備を地元自治体で、列車運行は鉄道会社による上下分離方式で3年以内の運転再開を目指しています。 平成8年に一部複線化の外房線の上総一ノ宮から勝浦は、沿線自治体などが工費を鉄道会社に貸し付ける形で、防災工事もしています。 内房線ではその過去、これから被害が予測される現場をみて、公費補助を受けながら防災工事を進めていくことが必要です。 もうひとつ。 来年、東日本エリアのJRで列車のワンマン運転実施が検討されています。やるにせよ、災害時の列車が乗客をのせたままの場合、駅で列車を待っている場合の段取り・マニュアルが明確に必要でしょう。さらに津波避難先として、上総湊、竹岡、那古船形、千倉、和田浦、太海の各駅を災害避難拠点として、山梨県の山梨市駅を参考に、自治体と協定や必要な設備を設けること。 来年、安房勝山駅が終日無人化、佐貫町から冨浦までの駅が短時間営業の駅に合理化、さらに千倉駅が泊まり勤務が廃止に。 主要駅との連絡がとれるインターホン装置などを、これらの駅に設ける必要があるでしょう。 情報がなにもないのが、一番不安。一連の合理化をやるのであれば、まずは、不安を解消できる仕組みが必修です。 そのためには自治体や内房線と地域を守る会をはじめとする住民団体5団体が、常に鉄道会社と協議をしていただくことです。 |